***英語の音域とイントネーション(抑揚)***
イギリスでの生活を始めたばかりの頃です。ケンブリッジのシティセンター(商店街のような場所)を歩いていた時のことです。自分の後ろから薄い大きなプラスチックのような板でパーンと軽くたたかれたような衝撃を感じました。
それは ハ、 ロー HELLO!
という挨拶を言っている言葉なのですが、1オクターブ半ほどある声の幅で、 ハ(高い声)ロー(低い声)
と言ったのです。私の前を歩いているお友達に向けて少し大きめに声をかけたものでした。ハロー 一つとってもこんなに声の出し方が違うのだととても驚いた瞬間でした。でも、その「ハロー」はとても美しく、素敵な響きを持っていて今でもその時の衝撃を思い出すことが出来ます。日本語は高低が少なく、強弱をつける機会もそれほど多くない言語ですから、日本語の音域の範疇を越えた英語の、それもイギリス英語の美しさには毎日感嘆していました。イントネーション(抑揚)もとても綺麗で、耳に心地よかったです。
初めはイギリス英語に慣れなくて聞き取りに苦労しました。ランドレディー(ホームステイ先の家主さん)との会話はジェステャー混じりでやりとりし、もう一人のホームステイしているトルコ人のおばさまとは、もう完全にジェステャーのみでした。それは彼女が英語を少ししか話せなかったからです。でも、それはそれはとても楽しいひと時でした。ジェステャーだけでも会話はできる事を知りました。イギリスからの帰りにトルコによってから帰ることを選択していたら良かったなと思いました。
現地に行って英語を話せるようになろうと思っていらっしゃる方、安心してください。聞き取りは割と早い段階で慣れてきます。そして、個人差はあるかもしれませんが、イギリスに住んで3か月経った頃には、とても不思議なことなのですが、英語で夢を見るようになりました。脳の仕組みはどうなっているのでしょう?