英語あれこれ VER5

2021/02/07
中学生の英語が変わる!

英語が一番大変な教科

 

と、いつも言っています。なぜならば、納得したり、日本語との違いをはっきりさせたり、文法や単語を覚えこんだりと、するべきことがとんでもなく沢山あるからです。中学校の主要5教科の英語・数学・国語・社会・理科のうちでは、やはり私は英語が一番大変だと思っています。みなさんはどのようにお考えでしょうか?

 

幼児さんから成人の方々に長年、英語を教えてきましたが、近年中学生に対して英語を教えることの難しさを感じています。それは、自分自身がここまで高めてあげたい、などという欲求が昔に比べて高くなっていることもあります。それに加えて学校側で英語の指導と定着に要する時間が足りないのではないかということがあります。2018年から「4技能5領域」に広がったことから起こる多様性からますます今までにも増して、消化不良を起こしているのではと、公立中学校の英語指導の難しさを感じさせられます。[4技能5領域とは「聞くこと」「読むこと」「書くこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」です]

 

さらに2021年大改訂で英語はさらに難しく変化していきますので悩ましい限りです。では、どんな風に変わるのか見ていきましょう!

 

1.英語教育改革

 

*2020年、小学3年生から英語教育がスタート

*小学5年生から「教科」として英語が必修化

*中学校の英語授業ではオールイングリッシュが基本に

*発信力を高める高校英語、4技能で評価する大学入試

 

2.小学校で英語を学習したことが前提の会話的な教科書に変化

➡外国語の音声や語彙、表現、文法、言語の働きなどを理解するとともに、これらの知識を、聞くこと、読むこと、話すこと、書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身につけるようにする。

➡授業は音声を聞いて即興でのロールプレイが中心

 

3.単語数の大幅な増加

➡今までは    1200語

           ↓これからは

小学校で600語 + 中学校で1800語=2400語

 

➡当然、教科書内容を理解するだけでも時間が必要

 

4.学習内容の変化

➡高等学校から移行される文法内容

*原形不定詞

*現在完了進行形

*仮定法

*感嘆文

 

5.混在する文法内容

➡中1の最初のレッスンから複数の文法項目を学習

*be動詞(肯定・否定・疑問)

*一般動詞(肯定・否定・疑問)

*What's your favorite ~?

 

➡小学校で英語学習を4年間行った前提で作られた教科書。明らかにこれまでに比べて中1での導入段階から負荷が大きい。

 

➡文法の混在に加えて、教科書本文も長文化

 

6.問題が山積!?

 

問題① どの単元の新出単語も難しく+量が多すぎる!

問題② リーディングは確実に高校レベルへ変化!

テーマはSDGSを意識したものなど題材が難解なものが多い。英語力以前に学力や知識が必要。英検準2級レベルの新出単語もあり

問題③ 学習した基本分の運用練習が少なく実践重視

単語数の増加&長文化に加えて発表やディベートなどのアクティビティに比重点が置かれる(時間を取られる)可能性大。その結果、新出の基本文法の習得が学校では十分されない

 

今でも大変な状況なのに、今後がどれだけ大変になるかが簡単に想像することが出来ます。

 

2020年(昨年)には生徒たちから「リーディングのテストがあるので練習してください」と初めて言われました。4つの中学校から生徒が来ていますが、同様に4校ともリーディングテストをやっていました。評価はA・B・C・Dとされるようです。始まっていますね。

 

世界基準で話せて聞ける英語へと変化するのは昔から願っていたし、大歓迎なのですが、そうすることによって生徒に英語学習に対する負荷が重くのしかかるのはどうかなと思います。英語教科の年間授業時間数をまず増やすことから始めて欲しいものです。私たち日本人は、ヨーロッパ語族の人達が英語を習うのとは訳が違うのですから、きちんと段階を踏まえて大改革をやって欲しいと願います。

 

これ以上英語嫌いを増やしたくない、皆さん英語をきらいにならないで欲しいです。